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第5回環境サロン「高度情報社会への人間の適応について」つづき

2019年12月23日

 あるいは、胎児期の栄養環境が、遺伝子に記録され、それが成人期、高齢期になって、糖尿病や認知症のリスクにつながるといった例がある。この論文は、昨年の国際学会を機に発刊した「Stress Brain and Behavior」という査読雑誌よりの引用である。ちなみに、樹木医の方の、樹の受けるストレスに関する論文をお手伝いして、掲載されているとのことである。

別の研究では、Zebra finchキンカチョウという小鳥が鳴き方を覚えるのは、生後60日まで、90日までに運動神経、その後固定化するといった研究も分子レベルで確認されている。

 生育とともに、身体運動、注意を向ける方向、発生行動、社会性距離、行動タイプなどといった様々な反応が、どの時期に身に付きやすいのかを、連続的に見ていって、それにふさわしい学習環境を提供していければいいというのが、研究のスタンスである。

 さて、今日の本題である、高度情報社会への人間の適応に関して、コミュニケーションを豊かにするためのITやスマートフォンの普及がどのような影響を及ぼしているのかについて、考えてみると、いじめ、うつ、発達障害など、心の病が急増していることに注意を払わなければならない。
 
 1950年代にサルを対象にして、ロボットで育てる実験をした。同じロボットでも毛の生えたもののほうを好むが、まともには育たない。
 戦後まもなく孤児院の子供たちを対象にした別の研究では、生まれて2,3年までに、母親に密着して育てられない子は、社会性距離感がつかめない愛着障害になることがわかっている。

 ヒヨコを使った実験では、一人で育ったヒヨコと、なかまと育ったヒヨコの行動をモニタリングすると、他個体に対して興味を示さない。発達曲線としてあらわすと、この差がよくわかる。7日目の時期には両群の位置が近接しているが、これは社会性行動をはぐくむのに大切な高感受性期にあたる。なお、親についていく愛着形成の時期は生後3日目までに高感受性期があると先行研究が示している。

これについて、療育の実験として、a.一緒に食事させる、b.一緒に遊ばせる、c.ただ閉じ込めるだけの3種類の保育園に通わせた場合、aは全個体社会性を得た。cは全個体ダメだった。bは引きこもりのヒヨコと、自分勝手なヒヨコがいた。

また、別の療育の実験として、ひきこもりと普通のヒヨコに栄養を十分与えた場合、前者にも行動性に改善が見られた。さらに栄養を少し控えめにしても、すこし危険を感じながら冒険して食べなければならない環境にすると、栄養を十分に与えた場合と同じ効果が得られたとのこと。この実験結果は、人間の療養においても、応用が可能であることを示しているとされた。

質疑応答:
・多変量解析で、あらわされた発達曲線の構造がもう一つよくわからなかった。
→同じ動きでも、視線や、スピード、頭の動き方、相手の動きとの同調性などの識別で複雑系解析により見える化を探索しています。
・二次元でX軸は行動性、Y軸は感情軸ですか。縦軸は年齢軸?
→多変量解析の結果の解釈として、そのように考えるとわかりやすいということ。初めのグラフはサルを使った実験で4,5年の経過を見ることが可能。最期の上の線形は推定のイメージである。
・輪の大きさは何を表しているのか。
→楕円は10匹ずつ程度の群のばらつきを表している。項目は24種類の情報を多変量解析に処している。
・4年生の担任をしていて、ここ10年間に発達障害の児童が増えている感じを持っている。同じ場で教育するのがいいのか悪いのか迷うことがある。それぞれ適切な教育ができればいいと思うが。心配なのは全部男の子。遊び方が下手な子も多い。すぐケンカになったりする。危ないことはやらせにくい。その他、電磁波の影響はどうなのかということも心配である。
→全体が同じ場で教えるという機会はなくさないでほしい。その人に合わせて別に教える場合もあっていい。学校だけに任せるのでなく地域の人が入ったりすることで多様な場がある。そういった中で自分にあった場を見つけていくことになる。居場所を見つけさせることが大事だと思う。やはり自由にさせる。人格を認めて自主的に学ばせること。時間がかかってもいい。答えは両方と言うことだと思う。
 男が多いのはホルモンのためで、進化のためには多様性が大事だ。男らしさ、女らしさ、性同一性障害、も認め合う。それぞれの自発性を認めるようなクラスづくりがいい。
 電磁波については、太陽の状態でも変わる。電子レンジやスマートホンも問題かも知れない。スマートホンの信号もノイズを捨てた情報は良くない可能性も考えられている。
プレーパークでも色々な環境影響をモニタリングする事も視野に入れている。
・高度情報社会の進歩が著しいが、
→科学技術も進歩しているので、色々確認しながら、進化し続けられるのではないかと思う。遺伝子を収束する技術も持ち始めたので、どうつきあうべきかを考えるべきだと思う
そのためには、経験の豊かな方々の知恵も必要であり、宇部でそういう動きをつくっていきたい。是非リカレント教育にも参加して欲しい。
・高度技術を適用できる人達と、紛争地でぎりぎりの生活をしている人達もいる。公平性のような物をどう考えたらいいか。
→そこでもやはり多様性が大事だと思う。それぞれの自発性に基づいて、選択できるようにすれば、多様性も個性も生かせるのではないか。
・すべて同じレベルで考えることはないのではないか。未開な人達もそれなりに幸せと思って生きているかも知れない。人類をみな底上げしなくてはならないということではないのでは。
→人間が進化するためには、多様性ともう一つは利他性がキーワードになると言われている。なにか行き詰まった場合には、自分のことではなく、他者のことを考えるとよいよいことが進化生物学では認められている。全体が少しずつ格差もなくなっていくことにつながるのではないかと思う。
・宇宙の影響も何百万年の変化や太陽の11年周期等と行った時間スケールを良く吟味する必要があるのではないか。
→時間スケールも多様に定量情報の関係性を調べる時代に突入している。
・今日一番の成果は、チャレンジ講座ですが、是非参加したいと思った。すでに高齢ですが、また学ぼうという気がおこったことがよかった。
→それは何よりです。チャレンジ講座は大学で通年12、3回位月曜日か木曜日の4時半から6時に講義がある。受講料が有料です。プレーパークも覗いていただければ参考になると思う。こちらは無料で、子どもも大人も参加して今日やったような議論を結果的にしている。
・お話の中で大学生が高齢者施設にイルミネーションの作品を持って行ったときに、お年寄の明日への動機が上がったというのをもう少し説明してほしい。
→センサーで反応するイルミネーション、この部屋の半分くらいの作品を持って行った。これまでとは異なる、ITの新しいひとつの効能の可能性がある。いっしょに作ったわけではないが、参加した気になられたのかもしれない。ITを開発するような学生と高齢者は普段、互いに社会で会うことの無い世代同士で、結果的に共に開発に参加していたことが、効果を生んだ可能性がある。
・プレーパークで危険なことをさせると言われたが、われわれはビオトープで火をつけることをやらせた。自分はこども達の生きる力をつけるためには、必要なことだと思っている。
→是非プレーパークに参加して下さい。1月11日に神原公園でやる予定です。自分でやりたいことをもってきていただければありがたい。これまで火起こし体験をこどもたちに伝えて来ました。その火で焼き芋もやったこともある。全部手づくり。1月11日は特に火起こしの専門家が演習を行ってくれます。

今回、生涯教育を充実させ、順調な心の発育を図るための、行動解析や理化学的モニタリングの多変量解析に基づいた、環境の心に及ぼす影響評価が非常に進歩してきていることを知ることができた。

 それぞれの能力獲得には、脳の生育段階として、それぞれの高感受性時期があること、幼児期のスキンシップの重要性、発達障害児童の教育方法、環境影響が遺伝子を変化させる場合もあること、適度なストレスは免疫力に有利に働くこと、人間は行き詰まったときに利他性が進化に結びつくことが認められていること、腸内細菌と免疫力、プレーパークの学問的位置づけ等々、非常に多くの学びがあった。
 本題の高度情報化時代の人間への適応については、途中時間切れとなり、機会をあらためてお願いしたいと思うが、ITを敬遠するのではなく、活用して人間の適応力を高めていける可能性があるという見解を示された。

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