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幼少期における体験学習の重要性についての研修会の報告(その2)です。

2018年02月03日

岡村精二さんは、S49年宇部高専機械工学科卒業後、S52年手作りヨットで太平洋単独横断成功 された。S59年 こころ豊かな冒険心あふれるこども達を育てたいと、至誠学舎「おかむら塾」を開かれ、以来一貫して、こども達の教育に尽力されています。またH22年には山口大学理工学研究科の社会人ドクターとして、防災・環境分野の工学博士号を取得しておられます。

今回は、予定していた中村彰臣先生がインフルエンザのため、この火曜日に急遽ピンチヒッターをお願いして、お忙しい中ですが、快くお引き受けいただいたものです。

まずお話のはじめに、先ほどの今井さんのお話を受けて、九州大学医学部名誉教授の井口潔先生に、急に呼び出され、厚狭駅で会われたというエピソードを紹介していただきました。講演の依頼をうけられたたそうです。その翌日、岡村さんも井口先生の講演をご家族で聴きに行かれたとき、お話の冒頭、「自分は人生に後悔している。われわれ医者は3歳までに人間の脳の80%が決まるということを知っているにもかかわらず、教育界にもの申さなかったことをいま恥じている。」と言われたということで、大変印象に残りました。94歳でいまなお、お元気に活躍されており、60歳からピアノを始められものにされておられ、「ヒトの教育の会」会長、井口病院理事長、勲二等瑞宝章も受賞された先生の言葉だけに、重みを感じます。
(参考:https://www.youtube.com/watch?time_continue=86&v=j-82g0bMDJQ

岡村さんも精華学園高等学校で教えられる中で、年々不登校のこども達が増えていると感じておられ、3歳までの教育の重要性には同感とのことです。

爾来、四半世紀以上の長きに亘り、船による洋上スクールや大型ヨットによる長期体験航海、自然体験キャンプ等。様々な活動をつづけてきておられる。

不登校の子どもでも、キャンプを経験した後、二学期はしばらく学校へ行けるが、しばらくするとまたいけなくなる。小学校、中学校、高校も不登校が続けば、専門学校にも入れない。そんなことで、松島町で通信制高校のサポート校を開いたが、施設が基準を満たさず、当時空き家になっていた吉部小学校を借りて、平成21年7月に精華学園高等学校を開校された。その後、耐震性の問題で、平成25年4月より3億円近い借金をして小郡に本校を新設されたそうです。1200m2という基準があるので3階建てで、吹き抜けの所には手作りにヨットが展示してある。イメージキャラクターは初音ミクで、校歌は初音ミクを使用した公募で選ばれたものだそうです。

そもそものきっかけは、1980年代のはじめ、戸塚ヨットスクール事件ということで、友人の戸塚氏が健全な若者を育てようと開かれたヨットスクールが、不登校に効果があるということで次第に問題児や家庭内暴力の子どもなどが来るようになり、社会的な問題を起こすことになった。長い裁判の末、有罪判決を受けられたので、自分が代わりにやろうと言うことで、建設会社を辞め、塾で勉強を教えながら、様々な体験学習をやるようになったとのことです。


4泊5日の自然体験キャンプをずっと続けてきているが、その卒業生にこども達の世話役として、活躍してもらうことを思いつき、NPO法人森と海の学校を設立した。高校生の彼らが責任を持って150人ものこども達の面倒をみるが、彼らは手抜きをせず、26年間無事故できているとのことである。指導員のチーフは名前も全部覚える。こども達の書く日誌に、12,3人に返事を書くと睡眠時間もままならない状況だが、がんばってくれている。

ナイトハイク40キロも25回実施した。これまで延べ3800人が参加している。
子ども匠の学校も人気がある。大工さんによる金槌やのこの使い方、セメントの練りかた、自転車の修理、スパナ、ドライバーの使い方、魚の裁き方などなど、自然体験だけでなく、様々な実体験が乏しい。これらにも高校生や大学生のOBが手伝ってくれている。

最近のこども達も、昔に比べて根性がないなど、本質的に変わっている訳ではなく、場が与えられていないだけで、40キロハイク(小1から中学生対象)を25年間やってきたが、小さい子どもが最後まで歩ききることができる。東京理科大学から夜10時にスタートして、藤曲、琴芝、琴崎八幡、片倉から厚東(23km)、末信橋(30km)、出発点のコースだが、トップは朝7時から12時くらい、だいたい10時間かけて歩く。歩ききれなかった子どもは自分の記憶では0人である。はじめの挨拶は「最初に落伍者になるのは誰かな?}であり、幼稚園の子どもも、これまで100人ぐらい参加したが23km地点の厚東中学校までは全員歩けた。最後の末信橋から出発点の10kmを小学校高学年の子どもは1時間くらいで走って帰れる。要は、子ども達は「場面があれば、頑張れる」と思うというお話でした。

しかし問題は、最近はこういう場がほとんどなくなってきている状況があり、レクレーション協会やキャンプ協会の活動も1泊2日のキャンプでさえやらなくなっている。県内でも2泊3日の羅漢山のキャンプが行われている程度である。三重県の子供会のハイキングで子ども1人が川の深みに入り、溺れ死んだ事故の裁判で1983年に役員3名に526万円の支払いを命じた民事判決をひとつの契機にして、少なくなってきたということでした。

子どもを厳しく育てるのは親しかいない。佐波川で飛び込みをやったことがあるが、さすが高さ5m以上の所から飛び込むのを止めたことがあるが、それは自分の子どもの時代そういう体験があり、判断の基準があったからである。
やはり、大人が、子どもの時に実際に経験したことによる物差しがあって、安全性の面でも、子どもに教えることができる。そういう意味でも10,20年年すると親になっていく訳なので、こども達に体験をさせておくことが大事だと思うとのこと。

全体で150人くらいの子どもがいても、年代が同じ子どもばかりだと、うまくいかないことが多いが、年齢の違うこども達で班を組ませると、自ずと年長の子どもが班長をつとめ、まとまっていく。子どもを自然の中で色々体験させることで、色々な可能性をみせてくれる。

岡村さんは一級建築士でもあるので、家族のコミュニケーションがとれる、家の住まい方について、本を書かれたことがある。ミサワホームと、センターリビングの家を提案した。当時、玄関を入るとすぐ2階に上がる階段があり、2機に2部屋があって、子どもが帰ってきたら、そのまま自分達の部屋に上がってしまい、親がいつ子どもが帰ってきたかわからない、友達が来たのかもわからないような構造の家が多かった。
このような間取りの家の場合はどうしたらいいか、子どもは勝手口から出入りさせ、玄関はお客とお父さん専用にすればいい。親と子どもの接点を増やし、親が子どもに生き方を教えるということが非常に大事なことだと思うとされた。

さて、岡村さんが太平洋横断をされたとき、その計画を話してから後、お父様が口も聞いてくれない日々が続いたそうです。しかし、太平洋上で、父母からの手紙を見つけて読まれ、涙を流された記憶があり、洋上スクールでも、キャンプでも必ず、参加の子ども達の、親から手紙を書いてもらい、読んだこども達は、親に返事を書くことになっているそうです。この子が生まれるときに私はどんなに喜んだか、名前の由来はだとか、育てるのにどんな苦労をした、だとかを書いてもらうことが参加条件になっている。祖父母も書かれることもある。

最後に、いま、お金をかけていない低俗なテレビ番組、ファミコンゲームなどの問題を指摘され、子育てにおける親の責任について話されました。親から愛されているんだという自覚があって、虐めや色んな苦労にも耐えていける。誰かに認められたい、ほめられたい。帰る港があると言うことが大きな力になると話されました。

「花のほほえみ 根のいのり」 きれいな花を咲かせるには根がしっかり養分を吸ええなくてはならないが、それだけではなく、祈りの気持ちをもって育てることが大事であり、子育ても同じで、この根っこが一番大事。衣食住が足りているというだけではなく、親や祖父母の祈りの気持ちが大切であって、お仏壇に手をあわせたり、神棚に祈ったり、そういうことが今の時代だからこそ、大切だという気がしてなりませんと結ばれました。

これまであまりじっくりお話を聞く機会が無かったので、この四半世紀以上に亘る、森と海の学校や、精華学園高等学校(通信制)のお話をまとめてお聞きすることができ、大変参考になりました。

議論:
○認可と無認可の違いは? また、小規模保育所とは?
→認定を受ければ補助がいただける。小規模保育所は、待機児童対策として出てきた19名以下の保育所。
○過去の経験がものさしとして大事といわれたが 親自体が遊ぶことになれていない親が多い。今のこども達も早期教育で遊びが少な区なっている中で、キャンプ等経験して
→家におじいちゃん、おばあちゃんがリルかどうかがすぐわかる。そういう子どもは知恵がある傾向がある。祖父母と一緒にいる場合、経験が多い子どもが多い。親自身の経験が大事。テレビっ子世代のはしりはわれわれの世代。それより下はもっとゲームなんかが出てきた時代だ。子ども時代の自然体験が重要だということ自体がわからないかも知れない。二俣瀬出身の妻は、レンゲ畑で子どもと一緒に遊びたいとよく言っていた。我々の子育ての時代は仕事に重点が置かれて、すでに余裕が無くなってきた時と反省する。自分の体験を子どもにもさせたいと思うのだろう。岡村塾を開いたのは昭和59年だが、よく遊ばせるということが評判になり、親が勉強を重視してあまりこどもが集まらなかった。
○藤山小学校で4年生担当している。確かにおじいちゃん、おばあちゃんのいる家庭の子、朝仏壇に手を合わせて来るような子はとてもすてきに育っているなと思っている。また、こぐま保育園のこども達はとても目がすてきで表情がよかった。いい環境の中でに育っているなと思い、自分の孫にも行ってほしいなと思った。
一方で公立の小学校教育の場合は、色々恵まれない子ども達もいるので、一人もとり残さないで行かなくてはならない。文科省の指導要領も勿論よくできているが、感性の部分を大切にしていきたいと思う。岡村先生も指摘されたが、やはりゲームは良くない。学校で6時間勉強し家で2、3時間ゲームに没頭するのは問題。高学年のスマホのLINEも同じ。使い方を保護者がもっと注意してほしい。カッターナイフは危ないと言うが、これらの方がもっと問題だ。
○こぐま保育園のような保育をするためにはかなりお金がかかるということになるうか。
→お金はとくにかかるわけではない。非トン手当てを含め、こども達を遊ばせる環境を維持するためのお金が必要であり、認可がほしい。
○持続可能な社会実現のための教育というのは、難しいと感じている。
→大人が子どもに今この時代に何を望んでいるかと言うことということが問題。

今回期せずして、今井さんは0歳から5歳までの未就学児、岡村さんは、主に小学校1年生から中学生、高校生までを対象とされており、聴きやすかったです。

お二方のお話とも、様々な豊かな自然体験等を通して、健全なこども達を育むことに、使命感を持って取り組んでおられ、大変感銘を受けました。

昨今の社会風潮から、事故をおそれるあまり、世話をする方が引っ込み思案になり、こども達に十分な体験をさせる機会が一昔前に比べるとずいぶん減っていることは大変残念なことと思います。

今井さんが言われた、子どもの自主性に期待することと、岡村さんが最後に触れられた、祈りのこころなどについては、十分議論することはできませんでしたが、井口先生の言葉にもあったように、3歳までに、愛情たっぷりの環境で、たくましい体験をさせることの重要性にういて、社会全体がもっと本気で考えるべきではないだろうかと思いました。   (文責:浮田)

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