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第4回環境サロン「スマホ世代のネットリテラシー」の概要報告です。

2015年08月22日

第4回環境サロン
スマホ世代のためのネットリテラシー
講師:株式会社アワセルブス 河口 隆
参加者:12名(うち女性3)

講師の河口氏は昭和51年生まれ、山口大学経済学部経営学科を卒業、現在は株式会社アワセルブスの代表取締役を務めている。
河口氏が大学在学中にWindows95が発表され、爆発的にインターネットが普及しはじめた。その頃からホームページを作成したりするなど20年にわたり、インターネットに関わってきた。
まず冒頭、Ted×Teenの動画、Terishaという14歳の少女がネットいじめ撲滅のための警告表示システムを提案し、大きな効果を上げ、特許も取得したという映像が流された。https://www.youtube.com/watch?v=lz6Y0Os-uc8

インターネットの急速な普及で、現在の若者は物心ついたときにはインターネットやスマートフォン(以下「スマホ」)が当たり前に存在する境遇で育ってきている。
ネットリテラシーとは、こうした新世代がインターネット情報やスマートフォンをどう上手く活用するかということである。

ここでまず参加者にアンケート。
・(インター)ネットを使っている人…参加者全員挙手で、かなり身近なものになっていることが分かる。
・スマホを使っている人…約半分  ・SNSを使っている人…約半分
スマホを使っている人とSNSを使っている人は微妙にずれている(あと遅れてこられた方は2人とも3つとも使っている方と思われる)。

(青少年のインターネット利用状況)
内閣府の調査では、青少年(10~17歳)の76%がインターネットを利用しており、そのうち42.9%がインターネットを利用する機器としてスマホを活用している。
http://www8.cao.go.jp/youth/youth-harm/chousa/net-jittai_syousai.html#s1-2
(青少年のインターネット利用機器)
特筆すべきは青少年の年代別にみると、高校生ではインターネットを活用する機器に「スマホ」と答えた割合が89.1%にも上る。続いて活用する機器に「ノートパソコン」と答えた割合が30%である。
(青少年のインターネット利用内容)
また、高校生のうち63.3%がスマホで1日2時間以上インターネットを利用しているという。インターネットを利用して何をしているかというと、高校生の回答で一番多かったのが、「コミュニケーション」である(中学生64.7%、小学生28.7%)。
中学生、小学生と年齢が下がると、それぞれ「動画視聴」、「ゲーム」をするという情報を受ける側の立場としての回答が多くなる。
(青少年のインターネット利用時間)
 高校生の場合、インターネット利用時間は1日約2時間になっている。

インターネットを利用した「コミュニケーション」ツールは何かというと、「SNS」である。代表的なものとして、Mixi、Ameba、Ttwitter、Facebook、Google+、LINE、instagramが挙げられる。中でもLINEやinstagramはスマホ向けのアプリとして登場している。

(スマホがもたらしたもの)
昔はハード、ネットワークの知識がなければ、インターネットに接続することはできなかったが、スマホが普及することで、いつでもどこでもインターネットに接続することができ、高画質な写真や動画を簡単に撮影し、投稿することができるようになった。なにより、昔と違って、特別な知識がなくても、手軽にこの2つのアクションができるようになったことが大きい。ただし、手軽にできるようになったが故に使い方を誤ると、「炎上」してしまう。

(炎上)
「炎上」とはネットの用語で、何らかの不祥事をきっかけに、爆発的に注目を集める事態または状況を指すもので、2004年ころから発生するようになった。
近年では、「非常識な行動や悪ふざけ」などを不用意にSNSへ投稿したことが発端となるケースが多い。
最近では、オリンピックロゴの問題は、インターネットで外国人が「ロゴマークが似ている」と投稿したころから、大騒ぎに発展した(=炎上)。
(代表的な「炎上」事例)
2013年(平成25年)にSNSを通じた不適切な写真の投稿による「炎上」事件が増加。具体的には4つの事例。
①冷蔵庫に入っているコンビニ店員の写真、②地下鉄の線路の上で撮影した写真
③餃子店での客による不適切写真、④土下座の強要・土下座写真
いずれも見過ごされてもおかしくないような非常識な行動、悪ふざけが、SNSにより炎上し、店舗休業や、逮捕者が出るなどSNS投稿者が社会的な制裁を受けることにつながったケース。

正しい知識を欠いている「非常識」な使い手がスマホ、SNSという手軽で便利なものを活用することで、「炎上」が発生することになる。(スマホ×SNS×非常識⇒炎上)

(ネットリテラシー)
正しい知識を欠いていることが「炎上」の原因であるとすれば、情報ネットワークを正しく利用することができる能力を身につける必要がある。そのための指標の1つが「ILAS」である。
「ILAS」は、総務省がインターネット上のリスクに対応するために、全ての青少年の習得が望まれる能力をまとめたもの(以下参照)。
1)インターネット上の違法コンテンツ、有害コンテンツに適切に対処できる能力
2)インターネット上で適切にコミュニケーションできる能力
3)プライバシー保護や適切なセキュリティ対策ができる能力

(スマホネイティブ世代のリテラシー)
インターネット接続に「PCをよく利用する青少年」よりも「スマホのみを利用する青少年」いわゆるスマホネイティブ世代はリテラシーが低いものとされ、教育が必要とされている。しかしながら教育する側の親世代も比較的新しいスマホの活用についてはあまり知識がなく、「教育する」ことはできないことが問題となっている。
青少年(スマホネイティブ世代)のネットリテラシーが低い上に、親・先生・上司の世代もスマホやインターネットが無い時代に育っているため、知識がなく、教育することができないという問題は、全ての世代において、スマホやインターネットを活用する側として未熟または不慣れであることを認識しなければいけないことを表している。
このような状況の中、明治学院大学で大学生によるスマホ、インターネット活用に関する自発的なルール(5つのルール)づくりが行われた。
【5つのルール】
参考:http://www.meijigakuin.ac.jp/campuslife/campuslife/sns/
1)友達は、フリー素材じゃありません。…肖像権の問題などを表している。
2)その個性の出し方間違ってませんか。…悪ふざけと個性を混同しているために、「炎上」する。
3)デマの中継所にならない。…SNSのシェア機能で情報が瞬時に世界中に拡散する。インターネット情報の中には信憑性が疑われるデマも含まれている。拡散する前に信憑性を確認すること。
4)昨日、SNSで何を見たか思い出せますか。…SNSで、手軽にどこでも多くの情報を得ることができるが、SNSを使うことだけが目的となっていないか。
5)歩きスマホは歩く武器

(その他)
【高校生を始めとした青少年を取巻く教育環境が昔と変わってきている】
スマホを活用する高校生がSNSで「炎上」してしまうのは、小・中・高等教育機関や家庭での教育において、一般常識が浸透していないのではないかと考えられる。
【情報が全世界に拡散することで、閲覧者が不特定多数に上り、監視の目が多くなった】
SNSの広がりによって、事実が全世界に拡散してしまう。昔は見過ごされていたことが、見過ごせなくなってきている。
【閲覧者の中に悪意あるユーザーが存在】
他人の粗探しをしているインターネットユーザーも少なからずいる。こうした存在が、SNSの危険性を増大させている。
【閲覧者が不特定多数に上ることによる肖像権の問題】
SNSの写真に関する肖像権の問題は、個人情報保護が叫ばれだしてから時代と共に、気にする人が増えてきた。SNSへの投稿者は、人の顔が写らないような写真や、撮影される人に同意をとるなど投稿する際の配慮が必要となってきている。

質疑応答:
Q:SNSへの投稿に、誰でもアクセスすることが可能、という仕組みがよく分からない。
A:SNSに投稿された情報は、多数のサーバーの集合体であるクラウドに保存される。クラウドは、増設可能で無数に存在する。クラウド同士のつながりがいわゆるネットワークで、ネットワークを通じて情報の保存されているサーバーにアクセスすることができる。
例としては、個人が写真をFacebookに投稿したら、Facebookのクラウドに保存され、Googleのクラウドにコピーされ、検索システムを通じて、誰でも検索することができる。

Q:冒頭の14歳の少女が「Rethink」という警告メッセージを開発したとのことであったが、ネットリテラシーの低い若い世代は考える間もなくSNSを活用したりしていることが問題なのであろうが、どうしてソフト開発者は「Rethink」のような機能を付与しないのだろうか?
A:企業側が不利益を被っているわけではないので、あえて機能を付与する必要が無いように思う。
C1:ATMのように振り込め詐欺の注意喚起メッセージ表示機能を付与するには、国家や警察などの指示がなければ、進まないのではないか。システム改修など莫大な費用を負担する企業の自発的な取組みを期待するのは難しいと思う。

Q:中高校生がLINEでいじめを受けて自殺したというような場合、いじめをした子どもの親の管理責任は問われないのだろうか?
C1:子どもと親の管理責任については、先日画期的な判例が出た。放課後、小学校の工程で子どもが蹴ったボールが校庭を飛出し、老人に当たって、しばらくして老人が亡くなった。このことについて、子どもの親が責任を問われた。争点は子どもが自分の行為の結果に予想がつくかどうかとされたが、地裁・高裁は親の責任を認めたものの、最高裁では親の責任は問われなかった。

Q:「青少年に必要なリスク対応能力」に関して、スマホを大多数が活用しはじめる高校1年生までに習わせるべきというお話であったが、このことに関して文科省の動きはどうなっているのか?
C1:学校サイド(例として中学校)では、NTTさん、KDDIさんなどの企業を招いて、4、5月に中学生を対象に、夏休みに保護者を対象に、スマホ等の活用における危険性や、活用して良いこと、悪いことなどについて講義を実施している。
自分の受け持っていた中学校のクラスでは、7割の子どもがスマホを所持し、そのうち7割は女子が所持している。使い方で驚いたのは、中2の女子が「彼氏ができた」と聞き、尋ねてみると、SNSを通じて実際に会ったこともない大阪の男子だと言い、一週間後に別れたという。
C2:オープンな場で悩みを打ち明けられることのできない子が、相談できるのがSNS。しかし、顔も見えない相手だと犯罪に巻き込まれる可能性もある。現実に子どもが相談できる体制を整えることが必要ではないか。
C3:中学生の娘がいるが、スマホは持たせていない。家庭ではテレビをつけながら、食事をすることが習慣になっている。食事をしながらテレビの情報を得ることができる一石二鳥。家族でテレビのチャンネル争奪戦があり、そこから家族同士でコミュニケーションにつながることも多い。そのおかげか分からないが、娘はスマホを持ちたいと言ったことがない。ネット依存症など時間がもったいないと考える。
子どもの育った環境もリテラシーに大きな影響があるのではないか。
C4:幼少期にテレビコマーシャルにさらされることの子ども達への影響も重大ではないかと思うが、Kさんの家庭では、家族のコミュニケーションだとか、そのあたりのしつけがうまくできていると言うことではないか。

:宇部市では、スマホ活用のルールがあるのか?
C1:市教育委員会とPTA連合会が協議して、一緒に作成したスマホ利用のガイドラインとして、「スマホやゲームの約束」というものがある。最初は10項目くらいだったが、約束の例と書いてあるように、多くの項目が加わっている。
(参考URL)
http://www.city.ube.yamaguchi.jp/houdou/kyouiku_anshin/h27/smartphone_game.html

C2:ネットリテラシーは青少年だけでなく、大人にも共通するものがある。それぞれが一度考えてみる非梅雨尾があるかもしれない。酔った勢いや一時の感情で投稿したりすることがあるので自制しなければならないと思う。

Q:学校では、児童生徒のスマホの取り扱いはどうなっているのか?
A:市内の小中学校は持ち込み禁止になっていると思う。高校は、電源を切るようにしていたり、登校時に教師に預けるルールもある。
C2:預けた時に紛失したという報道があった。その上、預ける側としても教師が中身を閲覧している可能性もある。預けるルールも問題が多いと思う。

Q:SNSサービスを提供している企業は、どのような仕組で収入を得ているのか?
A:facebookなどは広告料収入。LINEは個人で使用するには無料だが、企業の公式アカウント作成を有料としている。Instagramのようにサービス自体を売却することで、利益を得ているケースもある。

C1:「スマホやゲームの約束」のようにルールづくりをすることは良いかもしれないが、守って初めてルールは機能することを理解するべき。
A:スマホの使用にあたってフィルタリングのような機能制限をすることも可能だが、一番良いのは機能制限をしなくても、使用する側がリスクに対応できるような能力を持って使用すれば良いと考える。

Q:講師の会社ではリテラシー教育を業務として実施しているのか?
A:出来たばかりの会社で、社員も少ないことから業務としては実施していない。ただし、企業には、ネットリテラシーが低い社員の存在はリスクになりうる。このため、社員のSNS利用を監視したり、フィルタリングサービスを提供するような企業などが今後増えてくるかもしれない。

Q:ネットリテラシーには、使い方やシステムに関する知識に関わる部分と、一般的な礼儀や倫理感に関わる部分とがあるのではないか。後者は道徳教育の内容に関わる部分と思う。
最近、道徳教育の時間が少なくなっているため、このようなインターネットを活用による問題が後を絶たないのではないか?
C1:昔は、道徳の時間を使ってイベント準備などをしていたこともあったが、現在は国でも道徳を教科化する動きもあるため、決して道徳教育の時間が少なくなっていくことはないと思う。むしろ強化の方向。

C1:市議会にもスマホ利用などの問題は寄せられているか?
C2:結局は持たせているのは誰かという結論になる。教育委員会の対応にも限界がある。

Q:途中参加で最初から議論に加わっていないが、事例として給食調理員が給食の今日の 
献立はこんなのですというのを撮影して投稿したところ、騒ぎになったことがある。このように、最近はちょっとしたことにも過敏に反応しすぎているのではないか。
C1:事例は、調理員の勤務時間中に投稿したのが悪いということで、炎上しかかったという意味だろうか。もしくは保護者は既に知っている情報なのに、不特定多数の目にさらされるSNSに投稿する必要はないと考えられたのか。
C2:ときわ公園のようにリアルタイムに投稿することがむしろ推奨されるケースもあると思う。
C3:守秘義務に違反するような投稿は絶対にしてはいけない。
C4:今出た意見の勤務態度の良し悪しや守秘義務に抵触するか否かが、炎上する基準の1つになると思う。加えて職種などもSNSの利用に影響する。
                              (以上:河内まとめ)


今回のサロンでは、話題提供者からのコメントもあったように、社会としてもこの急速に進歩する情報化社会の中で、ネットリテラシーについても、まだ正解を持っていないこともあり、また、非常に幅広い、影響の大きい問題でもあるので、今後も継続して、情報環境について、考えていきたいと思った。               (U)

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