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アーサー・ビナード講演会が9月15日午後宇部市福祉ふれあいセンターで行われました。

2025年09月25日

当日、録画を頼まれたのですが、途中誤操作をしてしたためか、SDカードの容量が予想外に早く消費されてしまい、肝腎の講演部分が録画できていませんでした。
 録画に神経を集中していたので、記録もままならず、印象に残った部分を、関連情報のネット確認もし、その後関係者の録音でーtも参考にあせていただいて、個人的な感想も含め、紹介したします。

この講演会はいのち・未来 うべ の主催で、はじめに代表の岡本正彰さんによる挨拶で,
「田布施が変わり始めた」というというスピーチがありました。
 今年2月に行われた田布施町議会議員選挙で、使用済み核燃料中間貯蔵施設反対の候補者6名がいずれも上位当選し、民意は「危ないものは作ってほしくない」、・・・というもので、3月の町議会本会議では6:5で中間貯蔵施設施設に反対する決議案が可決されたとのこと。

さてアーサー・ビナードさんは1967年に米国ミシガン州生まれで、日本語に興味を持ち、1990年に渡日以来、詩人・俳人、随筆家、翻訳家として活躍され、当初は池袋、現在は広島市に在住。

アメリカでは原爆投下のこともあまり知らなかったので、日本に来てから深く掘り下げることになったということです。

まず、言葉使いについて話され、一昔前の「就活」から、最近よく使われる「終活」は、消費者を惹きつつけるために、「〇〇〇〇終活」と濫用される傾向があること、「SDGs」も同様であること。

中でも印象に残ったのは、SDGsについて触れられ、本来ならば「核兵器の廃絶」の目標もあってもよいのに、第二次世界大戦の戦勝国で、国連の常任理事国5ケ国はいずれも核保有国であり、そうならないのは当然であるということ。

また日本では熱心に取り組まれているが、アメリカではほとんど知られておらず、無関心に近いとのことです。
(調べてみると2024年におけるSDGs達成度は北欧諸国やヨーロッパで高く、日本は18位、アメリカは46位と低い。https://www.asahi.com/sdgs/article/15308085 )

2001年2月、第6回「中原中也賞」を受賞され、以来、山口県は縁の深い県になっているようです。

東京大空襲で千代田区は無傷であり、それが広島、長崎の原爆投下につながった。
 原爆については、大江健三郎さんとビナードさんが解説を書かれている峠三吉作「原爆詩集」岩波書店2016年刊の紹介があり、詩の日本語自体がヒバクしたものになっていることに、ビナードさんの心を深く捉えたこと。
https://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=68241

(原爆投下の半年前にあった東京大空襲の惨禍について宗左近の詩集と比較しても広島のヒバクは想像を絶するものであったようです。
https://www.kitakyushucity-bungakukan.jp/wp-content/uploads/2020/05/9f36d82c6487717527c6d0e2831e485b.pdf

2006年発行の「ここが家だ」は第五福竜丸が1954年3月にビキニ環礁で操業中、アメリカの水爆実験で被爆した事件をベン・ジャーンが描いた絵をもとにビナードさんが絵本を構成したもので、日本絵本大賞を受けておられる。

そのほか、昨年11月に亡くなられた谷川俊太郎さんのこと、「祈り」や、「へいわとせんそう」など非常に多くの詩を残されたことにも触れられました。
出征兵士に送られた「千人針」と戦後広島平和公園に飾られている「千羽鶴」、はいずれも無力な祈りになっているのではないかという谷川さんの詩が紹介されました。。

横山隆一の「フクちゃん」漫画で、支那事変の時代、フクちゃんが大事に貯めた貯金を寄付して、武器用の支那事変国債に貢献する作品や、戦後の作品の変化。

また、紙芝居においても、1941年の「鉄のこびと」は武器生産のプロパガンダとしてつくられた作品であったこと。
https://www.youtube.com/watch?v=a3ARGHo2e94

1948年の紙芝居ではダム建設などの土木工事、1950年代には原子力発電も登場するなど、日本人の変わり身の早さについても語られ、非常に多くの犠牲を出した戦争についての根本的な反省ができていないのではないかという懸念も示されました。

ビナードさん自作の紙芝居については、宇部日報の記事に紹介されているように丸木位里、丸木俊作の「原爆の図」を元につくられた「ちっちゃいこえ」で原爆や放射能の恐ろしさを紙芝居を自ら披露されました。

ヒバクしたのは、人間だけではなく、ネコ、イヌなどはもちろん、土の中の微生物など、全て細胞から成り立っているあらゆる生き物であったことが語られました、
(参考: https://kokocara.pal-system.co.jp/2019/07/01/small-voice-arthur-binard/ )

講演の中で、明るい夢を語るのはいいが、厳しい未来を語るのは人々に受け入れもらうのは簡単ではないこと、大手メディアのコメンテーターの意見に安易に左右されてしまう傾向があること。電力会社の幹部が脱炭素のために原発の必要性を唱えたり、この度の中間貯蔵施設問題についてもジャーナリズムは単に中国電力や関西電力の声明をそのままつたえるだけの傾向があるとされました。

また、そもそもウラン資源が130年くらいしかもたないといわれるのに、廃棄物の管理に数万年をかかるということ自体おかしいのではないかとの指摘もありました。


主催者側の終りの挨拶で、まずゲストの田布施町議小中さんの使用済み核燃料中間処理施設建設計画に反対する立場をわかりやすく述べられました。

安藤さんは閉めのあいさつで、自分の心に残る名言として、2014年11月の沖縄県知事選での菅原文太氏の最後の応援演説「政治の役割は二つある。一つは国民を飢えさせず安心な食べ物を供給すること。そして絶対に戦争をしないこと。これが最も大事だ。」を上げられ、これからも、このような勉強会を継続していきたいと結ばれました。

 なお、会場で一部配布された小冊子「中間貯蔵施設の建設」ミスミ ヒロマサ編 には、最新の情勢や特に技術的な問題点について詳しくまとめられていて、完全には理解できないまでも、非常に参考になりました。

下の図は、小冊子に紹介されていた日本原燃による使用済み核燃料再処理工場の全体工程図を引用したものですが、厄介な放射性廃棄物が出ることが示されず、きれいごとの印象を与えてしまいます。

広島に投下された原爆「リトルボーイ」で核分裂を起こしたと推定されるウラン876gにすぎず、福島原発4号機は事故当時100トンのウランがあったとして、広島原爆1500発分に相当するという下りは非常に示唆的で、この膨大なエネルギーを人為的にコントロールして管理しつづけなければならないこと。
(長崎に投下された原爆はプルトニウム型で「ファットマン」といわれている。)

(PWR型原子炉では、1サイクル(約1年~1年半)あたり約10トンのウラン燃料が装荷され、1基の原子炉を生涯にわたって稼働させるには、数百トン~数千トンものウランが供給されるとの情報もある。)

最後に参考までに、関西電力による原子燃料サイクル概念図を示します。

 先月の原子力産業新聞には以下のような記者の見解が示されています。
https://www.jaif.or.jp/journal/study/focus/29152.html
「青森県六ヶ所村に建設中の日本原燃六ヶ所再処理工場は、着工から30年を経ても未だ完成に至っていない。現在の公式予定では2026年度中(2027年3月まで)の完成を掲げるが、長期化の背景には何があるのか。しばしば長期化そのものが悪であるかのように一方的に語られるが、その意味するものは安全性向上だった。」
しかし一方で、まだ最終処分場の確保もできていない現状もあるようです。

小冊子には、英国のセラフィールドのMOX燃料製造の実証施設での問題点や、英国の原子炉ではMOX燃料を使う予定はないとされています。
 またアメリカでは冷戦終結に伴い米国と旧ソ連は数千基の核兵器の解体を開始し、2000年には両国が兵器として利用されないようにMOX燃料として原子炉で使用することになてっているとのこと。ただ、MOX燃料は原子炉から取り出されたのちは再処理や再利用はできないとされています。

一方で、核兵器保有国になれば、国際的な立場が強くなるということから、日本においても原発をやめないのだという論説も散見されますが、そもそもこのような考え方で、持続的な平和を求めようとするのは間違っているのではないでしょうか。(文責:浮田)

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