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農業持続と地産地消の課題/環境サロン第1回(7月21日)の報告

2022年08月15日

2022年度第1回の環境サロンでは、食糧自給に不安を感じるこの頃、身近な地産地消に関わる講演を聞きました。
・日時: 2022年 7月21日(木)
・場所: 隣保館上宇部会館 2階
・講演: 種市 豊 さん(山口大学 大学院創成科学研究科 准教授) 
 地産地消の農産物流通と短距離輸送の課題を考える
 ~貨客混載の可能性を含め~ 
・話題提供: 武田尚文さん(宇部市北部地域振興課)
  中山間地域の課題解決に向けた取り組み
・参加者は対面で8名、オンライン5名でしたが、貴重なお話を聞き、農業や中山間地域の取組を身近に話し合うことができました。

 種市豊先生は、お名前からして、種の豊かさ、農家の田畑と市場、消費者をつなぐ農業経済学の使命を表しているようです。
 講演テーマは専門外の私たちにはやや難しく思えますが、内容は朝市やスーパーに届く野菜や農産物を誰がどのように運んでくるのか、その労力や費用負担がどうなっているか、それは今後も続けていけるのでしょうか?と、いろいろ考えさせられます。
  中国地方における地域循環型流通と短距離輸送に関する報告ー農産物を対象としてー
 農産物の輸送は単価が安い、時間が勝負、野菜や果物は劣化しやすいなど、課題が大きい。運転手不足の昨今、大都市圏への遠距離輸送は難しくなっている。
種市先生の研究は地域循環型経済(サーキュラー・エコノミー)です。コロナ禍でもの不足、流通不足、旅行も移動も不自由のなか、たどり着いた考え方です。
 近年、輸送費の値上がりで、大規模企業との契約が困難になっています。
地域経済だだ漏れバケツでは?(藤山浩著:「田園回帰1%戦略 地元に人と仕事を取り戻す」より)

 今までの学問(経済学)では、大きいことは良いことだとされてきましたが、これは誤りです。地元の企業が地元を回す大切さは、どこへも出かけられず、コロナ禍でたどり着いた気付きです。
 今、地方で起こる問題と農学が接近しています。
人口減少⇒消費力低下⇒地域経済縮小⇒雇用減少⇒人口減少のループ、シャッター通り
食で何ができるか?可能な限り地元で仕入れ、加工、販売することです。
・漏れバケツとは:地方の公共事業プロジェクトで、東京本社の企業が受注、税金は東京に還流するだけ
・バケツに水をためる策:流れ出る水を減らす、バケツの穴をふさぐ、地域に入ったお金を循環、滞留させる、大きすぎる穴をふさぐ努力が大切。
・貨客混載の実例として、京王高速バスの場合:
飛騨高山・駒ヶ根から新宿行きに野菜混載、コンテナ1000円。積み込みは高山で生産者(農家が)
積み下ろしは京王スーパーが永福車庫で行う(隣接)。車庫から各スーパーへ配送、費用は生産者もち。早朝の出荷が課題。
・兵庫六甲ー神姫バスの事例: 生産者(農家)がバスに積み込み。三田駅から別途輸送、スーパー売り場へ。かご大200円、小150円、バス1便で5000円くらいの収入、これは乗客10人~20人に相当する収入アップです。

 農産物輸送危機下における課題を日本農業新聞抜粋より整理すると、
疲弊する成果物輸送、トラックドライバーの時間外労働規制、人手不足、運賃上昇、
ドライバー不足の要因:長時間拘束、手作業荷役、帰り荷のない小ロット多頻度輸送、敬遠
農産物直売所の課題 出荷者の高齢化、出荷量・頻度の減少、出荷者数の減少

 調査事例:地域内小ロット輸送、JA山口県、JAしまね
1984年⇒2016年へ、出荷額減少幅の大きさ、6割くらいか
JAの直売所運営、集荷方法、巡回集荷の理由:高齢化、直売所が遠くなっている、
山口県産 旬の農産物マップ 県内産をもっと食べよう、ぶちうまやまぐち
JAしまね 東西遠い 産地の偏り、東部に? 品ぞろえが少ないと消費者が来なくなる
巡回集荷の回数と手数料は?筆者聞き取り

○まとめ: 地域内小ロット流通は、生産者の高齢化や直売所の統廃合による出荷の補助を目的に、直売所と小規模な生産者をつないでいる。地域社会に対する社会的使命の役割は大きい。地域内小ロット輸送では旧JA単位のネットワーク構造、循環型経済として、地域農業の持続と地域発展に資する、社会共通資本のひとつとなりうる。

○質疑・コメントなど
・市民にも地産地消の大切さ、地域の農業の課題をもっと知ってもらいたい。こうした話を皆に聞かせたい(研究成果を地域に発信してほしい。)岡田さん
・フードロスをどう減らすか、もったいない。ほうれんそうやキャベツの外葉を棄てている、これを洗って加工するとか、堆肥化するなど。
・農業委員を務めていて、会議のたびに、太陽光パネルの申請がある。貴重な農地がなくなる、危機感を感じる、農家の委員も同感。
・西岐波のミカン農園を引き受けて数年世話している。出荷するために、サイズや見た目の制約が大きすぎる、収穫の期間も短い、収穫しないと木が傷む。規格外の実は本当に安い、捨てる方がましなど、農業の難しさを実感する(津島)。
・農業政策、国の施策の重大な問題、議員にもっと勉強してほしい(浮田)。

○アンケート(回答8名より)
・小野での現状と今後の進める事業を応援したい
・農業問題は今後も大変ですので色々な情報を取り入れたいですね
・物をムダにしないようにしたいです
・情報の共有が大切
・種市先生には、食料輸入の難しさ、値上がり、品不足に不安が募る昨今、高齢化する地域の農家さんを支える「地域循環型流通」の大切さを分かりやすく説明頂き、また地産地消が観光などとつながり、地域に入るお金を地域に回していく(東京や海外の大資本に吸い上げられるのではく)作戦が大切と痛感しました。こうした考え、農家の努力、作る喜び・つらさをもっと市民、消費者、子ども達にも共有し、安いだけに目を奪われないようにしたい。
・武田さんには、小野地域の地域活性化プロジェクトの取り組み、児童減少の危機感、空家活用や移住促進の工夫など、伝えて頂き、いろいろ参考になりました。自分たちに出来ること、小野のお茶を買うとか、アクトビレッジ小野で自然体験するとか、工夫したい。連れ合いはロードバイクの練習に、常盤地区から小野湖まで自転車で走っています。
・新しい視点が質問によりわかったこと。
・食糧の国内自給率が30%台という国家として致命的な状況に対する国民としての関心と現状の認識の必要性をはっきりさせてもらった。総論的な種市さんの講演と、具体的な地域の現況を話して頂いた武田さんの話題提供は大変良い組み合わせであった。
・農業と運輸の関係の重要性を認識できました。地産地消の重要性についても再認識できました。若い人が一次産業で生活できる国づくりが必要だと思います。
 島根県、山口県の県内産の野菜・果物マップをみると、食べて応援の大切さと、東西に長い島根の課題も感じられますね。

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