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2020年度第3回環境サロンその2「生ゴミの堆肥化プロジェクト」の報告です

2022年01月28日

 1月14日の環境サロン第二部は、津島 榮さんによる生ごみ堆肥化プロジェクトについてのお話でした。
 津島さんは宇部環境コミュニティーの副理事長であり、小野湖の水を守る会やその他里山農業の維持に関して実践をされています。現役時代、大手化学メーカーの技術者として活躍された経験をもたれています。
最近はうべ環境コミュニティーのような環境NPOの自立的な持続に向けて、独自の事業を展開による財政基盤を作る必要があることを強調されておられます。
今回のサロンでは、もともと脱炭素に関連して、水素利用の現状について話される予定でしたが、ある意味専門的に過ぎることを心配され、より身近な循環型社会づくりに関する話題に変えられました。

 お話は、プロジェクト提案の形式に沿って進められました。以下、内容を紹介させていただきます。

 まずプロジェクトの目的としては、①食料資源の循環とくに世界的に不足しつつあるリンP資源の循環、②ごみ処理費用の削減を挙げた。
(中国においては下水処理場からP回収に力を入れており、日本でも日立造船やクボタ 家畜糞尿からP回収の技術開発も行われている。
https://www.jiwet.or.jp/quarterly/n008/pdf/n008-004.pdf
https://www.hitachizosen.co.jp/hitz-tech/pdf/2013h25_3_04.pdf )

 次に、堆肥化とは、生ごみ、家畜排せつ物、食品加工残渣等を撹拌通期して、分解により生じる熱により、水分の蒸発、病原菌、寄生虫卵、雑草種子を不活性化し、安定な有機質肥料とすることであり、分解しやすい有機物が分解する一次発酵と、腐植化が振興する二次発酵の段階があること。

 堆肥化の方法については、平積みで時々ショベルローダーなどで切り返す方式とロータリーキルン方式があるが、十分な温度を確保するためには反応速度が重要であるので、少なくも一次発酵についてはロータリーキルン方式を考えた方がよいとされた。

 主原料としては、生ごみが主体になるが、水分、形状、C?Nが重要であること、牛糞・鶏糞等も対象とするかも検討課題であること。 副原料としては、通気性や水分調節のために、もみ殻、おがくず、バーク、剪定枝は、落ち葉、竹チップなどが考えられるが、いずれもC/Nは高く、分解には時間がかかり、装置が大きくなるので、できれば戻し堆肥で対応したいところ。牛糞堆肥など使うときにもみがらが残っていることがよくある、バークやもみ殻は発酵しにくい。竹チップが使えないかということにも関心がある。

 非分解性の金属類、ガラス、無機物、プラスチックック類は前処理工程で選別除去しておくことが必要になる。また、堆肥成分として好ましくない重金属類の混入は避けなければならない。廃木材のシロアリ駆除剤として使われるAs等重金属の影響も考えておかなくてはならない。
 水切りや不適物の混入については、排出者の注意が求められる。
 副原料としての剪定枝などは10~30mmに破砕する必要がある。

一次発酵工程については、
 堆肥化速度の基礎データ(原料組成と反応速度)は、微生物源の選択を含めて、ラボにて確認する必要があること。
微生物源は戻し堆肥で供給、水分量の調整も期待する。分解熱により70℃が確保できることが重要であり、48時間で一次発酵が終了することを目指したいとされた。
 
二次発酵工程については、通常堆肥者に堆積し、自然発火にも注意し、適切に切り返す方法で行われる。二次発酵の必要性も検討課題。

 製品化工程・パッケージについては、20kg袋詰、コンテナ、バルクがある。

 品質管理については、肥料として販売する場合は、不可欠な部分になるが、ISO14001の指導にも関わられた経験から、必要事項を整理されている。肥料の場合、品質管理が基準、顧客契約、トレーサビリティーなどの観点からきちんとしなくてはならない。しっかりした経営組織が必要であるという印象である。
 マーケティングについては、県内農業法人JA、ホームセンター、農業資材販売店、個人農家が挙げられている。
 コスト/収益性評価としては、宇部市の焼却費用約22円/kgを考慮して 21円/kgの社会的費用の削減につながることが期待でき、販売収益として牛糞堆肥並みの15円/kg程度を期待したいとされた。
 ESG評価としては、環境、社会課題解決、ガバナンスと飲み評阿賀高い事業であり、資金も得やすいのではないかとされた。

 最後に考察として、
①反応槽度が遅いと、反応槽の容量が大きくなるので、この点注意が必要であること、
②設備規模は宇部の場合、生ごみが焼却ごみの半分と仮定して、3m径、長さ45mのキルンが必要。長さ5mとすれば9本くらい必要と言うことになる。
 このためには、ラボによる反応速度、堆肥化速度の詳細な検討、C/N等原料組成の検討、また設置場所については、場所は消費地に近い場所に分散設置する方が収集運搬コスト削減のためいいかもしれないとされた。

さらに,このプロジェクトは実現すれば大きな発展につながると思う。リスクもあるが、チャンスととらえ、覚悟を持って、マンパワー、資金、知識、経験、技術で協力できる個人、団体の参加に期待すると閉められた。

質疑:
〇自然発火の問題だが、タイタニック号の遭難には 低品位炭の自然発火も絡んでいたと言われている。初期の石炭運搬船でも度々自然発火による事故があった。宇部興産のコールセンターでは散水が行われている。局所的に温度が上がる。これが自然発火につながる。粘性のあるものに、空気を吹き込むと、局所的に反応が進む場合がある。
→そういう意味ではキルン方式より平積み方式の方が危ないと思う。
〇堆肥化として16万都市だと難しいのではないか。5千人くらいの街ならやっているところはあると思うが、全国的にはどうか。生ごみの水切りも大事なのではないか。
→分ければ資源、混ぜればごみであり、より高度な循環を期待したい。鹿児島腸の大崎町では市民啓発を徹底してやった。現実的には事業系ごみから入っていくことになるかもしれない。
〇重金属や、食品添加物としてSeが認可されたが、植物によく吸収され、葉ものに濃縮される。ユーザー側の納得が大事、ニーズが安定しないということが大きな問題だと思う。
→そのとおりであるが、廃建材のシロアリ防除剤としてのヒ素等も問題になる。原料の選別と、製品の品質管理が大事になると思う。
〇有機肥料になるのか
→有機堆肥にしたいと思うが、N, P ,Kを加えて肥料価値を上げることも将来的な検討課題かもしれない。
〇素晴らしい発想だと思うが、生ごみの堆肥化以外の活用方法も含めて検討すれば賛同者が増えるのではないか。
〇そもそも食品由来の廃棄物を土に戻すリサイクルができていなくては循環型社会とは言えない。前半のカーボンニュートラルにしても、この生ごみの堆肥化にしても、実現はそう簡単ではないが、われわれも意識を変えて本気で取り組む必要があると思う。
→「持続可能な発展」の発展の意味を考えると、これまでは経済の発展、GDP(モノの量、サービスの量、情報量?)を増やす、消費量を増やすことが発展と考えてきたが、どんどん消費量を増やすのは、資源に限界があるから、持続可能ではなく、すこし節約すればいいとかそんなレベルではない。それが真の発展といえるのか、そうではないと思う。馬鹿と言われてもがんばるしかないと思っている。

これからそういった議論をみんなでする機会を持っていけばいいのではないかと司会の薄井さんの提案があった。

今回のサロンは幅広いテーマとなったが、幸いこれまでとは違った参加者もあり、活発な議論ができました。話題提供いただいた、西村徳安さん、津島 榮さん、司会の労をとられた薄井洋基さんの各氏に厚く感謝いたします。 (文責:浮田)

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