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水辺に遊ぶ会の足利由紀子さんの研修会、多くのことを学びました。

2018年12月30日

第5回ESD研修会(第5回環境サロン)「中津干潟における学校と連携した環境学習の推進」足利由紀子さん(NPO法人水辺に遊ぶ会理事長)の概要報告

遅くなりましたが、12月8日に行われた、足利由紀子さんによる第5回環境サロンを兼ねたESD研修会の概要を報告します。
講師にお迎えした足利さんは長野市出身で、お茶の水女子大学理学部生物学科を卒業。動物形態学・分類学を学ばれ、学生時代から、千葉県館山市で無脊椎動物の研究および、日本野鳥の会本部および東京支部でボランティアとして活動。卒業後は、児童書の出版、広告デザイン業に従事された後、平成3年中津市に転居され、平成11年、「水辺に遊ぶ会」を設立され、平成18年4月、NPO法人を取得し、理事長に就任されています。

砂の縞模様、リップルは、波や風によって、形成されるもので、毎日模様が変わる。 中津では5~10cm 昔高いものでは20cm近い高さが見られたこともあるそうだ。リップルがあると言うことは、潮の流れや波 酸素供給 酸素供給があり、干潟の生物が住める。 東京湾では埋立が多くてこのようなリップルがあまりできない。 

周防灘は干潟の多いところ、一番多い65%を占めるのは有明海・八代湾、周防灘は10&%くらいある。豊前海だけで50haある。中津干潟は、環境が残っている干潟として非常に貴重なものであると評価されている。とくに、海側を見たときに水平線が見える干潟は非常に少なくなっている。山国川が中心だがこのあたりは川が網の目のように流れている。

 住んでいる生物として、まずカブトガニ、中津干潟、曽根干潟、山口湾は日本有数。
 アオギスは中津沖のみに残っている。おいしくないが釣りの引きが強く、東京湾ではアオギスは戻したい魚になっている。野鳥ではズグロカモメ、クロツラヘラサギ、シラサギ、シギ、チドリも日本有数の生息地。生態系の頂点にいるスナメリも珍しくない。陸側にはベッコウトンボの生息地もある。周防灘の、大分、福岡、山口沿岸で活動をしている団体が、連携していくこともいいのではないかと最近思ったりしている。

 元々、水辺に遊ぶ会は、1999年干潟を埋める計画があって、現場に行ってみようということで、干潟に足を踏み入れ、5~10m位のところで、カブトガニを見つけた。こんな教科書でしか知らなかった生きものが身近な所にいるんだと感動した。高度経済成長で、アサリや魚もスーパーで買うようになり、たき付けの松葉等も取りに行く必要がなくなった。いつのまにか遠くなってしまった、「海と人の心の距離」を取り戻したい、海ににぎわいを取り戻したい、と思ったのがきっかけでつくられた。

当時、漁業権があるということも知らず、子供を連れて干潟に行って、遊んでいたら、漁業者からは、密漁者がいると思われたり、教育委員会からはそんな危険な場所に子供を連れて行ってはいけないとか言われたこともある。

20年間どんなことをしてきたのかを紹介すると、まずは、
①環境啓発活動として、
若い親子連れのファミリーを海で遊ばせたり、春には潟フェスというイベントを開催したりしている。さらに、小学校の体験学習の支援として、途中から、海だけでなく、川や山にも目を向けて、環境の大切さを伝える活動をしている。二つ目は、
②調査研究活動として、色々な先生から調査方法を教わって、生きものの調査をし、リストを作成している。専門家の先生方に来てもらって、干潟で実際に調査方法を教えてもらい、最後の種の同定についても資料を送って確認してもらった。お金がないので調査器具も手製の物を使ってやった。大分市内の大学の学生さんにも手伝ってもらった。カブトガニの標識などはこども達にてつだってもらった。中津干潟には850種類もの生きものがいてそのうち約30%が稀少種で、非常に生物多様性の豊かな環境と言うことが分かった。10年に一度くらい調査報告をまとめている。 次に、
③ビーチクリーンの活動 年4回の清掃活動を継続している。年配の方々や、企業のCSRによる参加もある。最近では年間1000人くらいの参加がある。ICC国際クリーン安比鵜キャンペーンの統一的方法でゴミの種類と量を記録している。
http://www.jean.jp/blog/2013ICCdatacard_guide.pdf

④漁業体験と食育 漁師さんと話しかけて、コミュニケーションがとれるようになり、船に乗って漁業を体験することもやった。たこつぼ漁をやってみようというので、15年ぐらい前に、弥生時代に使われていた素焼きのたこつぼを作って、漁師さんも楽しんでいただいた。それを契機にして、クロダイの刺身など、地元の魚で食べ方も教えていただいた。貝掘りで取って帰った貝を汚いから捨ててしまった家族もいてびっくりした。

⑤郷土史調査 昔の漁具の収集、古い写真収集や、お年寄りのヒアリングなどを行って海に係る郷土史を記録猿事もやった。

⑥環境再生と合意形成
小河川の河口部の護岸建設にあたって、カブトガニの産卵場所を守るためにの護岸の位置を下げてもらうことを、行政、市民、議員さんや土地所有者を含めた合意形成の場を設けて、2年間かけて実現したこともある。結果としては工費面でも総合的によかったようであり、セットバック護岸として有名になった。環境にも、人間にも優しいやり方を、行政と20年近く話し合ってきている。この部分についての詳しい説明は以下のURLで見ることができます。https://www.contech.or.jp/_src/535/h27contest_04.pdf
 こども達も胚って遊べるように、浜辺の松林の整備活動も行ったり、トンボの生息地のアシの清掃除去も行っている。

⑦「ひがたらぼ」の建設 NPOの事務所や、倉庫もなかったので、困っていたが、中古のプレハブ小屋の提供があったので、自前で、安く貸していただける海岸の土地に輸送し、水産大学校の学生さんにも手伝ってもらって、完成することができた。5m×5mの広さだが、半分が事務所で、半分が博物館のようなスペースになっている。備品類もほとんど手作りである。お金はほとんど使っていない。こども達の実験室や専門家の勉強会の場ととしても使っている。

⑧中津干潟アカデミア 研究者の横のつながりをつけるために、水産大学校、大分文理大学、と水辺に遊ぶ会が協働して、公開の研究会をしている。今年度から2回開催している。この研修会終了後に行われた第2回アカデミアでは、遠くからも中高生の参加もあり、非常に盛会だったようである。

さて、NPO「水辺に遊ぶ会」のミッションとは、自然環境と人間社会の豊かな調和をめざし、持続可能な社会を追求することを目的に、種々な情報の蓄積と、それに基づいた啓発活動を広く行い、地域の自然と人とのよりよい関係づくりに寄与する。「生きもの元気
子供が元気、漁師さんも元気な中津干潟」を長期的なキャッチフレーズにしておられる。

活動に対する考え方として、活動の目的がぶれない、地に足のついた活動であること、常に情報発信を行う、地域の人とのつながりを大切にする、無理なく楽しく続けられる、をつねに心がけている。
(以下第2報に続く)

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