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少し疲れた老人のたわ言 ~今求められる大乗仏教の考え方~

2018年11月10日

最近、歳もとり、気分がふさぎ込みがちということもあって、今の世の中、気ぜわしく働き、モノに溢れているけれども、ココロは反対にまずしくなっているのではないかと
感じてしまう。

そんな中、先日元気な高校生の前で、里山の保全を題材に、ESDの話をさせてもらったものの、しっくり来なかったことは、先のブログでも触れたとおりである。
http://www.ubekuru.com/blog_view.php?id=5011

悲観的な考え方にはなかなか人の共感を得にくいという面があり、また、われわれを取り巻く現状の分析が十分になされた上で、目指すべき目標を示せたのか考える必要があると反省した。

ダライラマ14世が、東日本大震災のお見舞いを兼ねて、2011年10月に来日され、高野山大学での講演を中心にまとめられた本を読んで、印象に残ったのは、「本当の幸せとは何か」と「空」の説明です。

この本の中で、物質的な欲望には際限がなく、「心の平和」が重要であることが説かれており、何が幸せなのかということを考え直す時期であるということは、間違っていないように思う。

「空」については、一般に、実体のないものごとに、執着して、苦しみから抜けられないことが多いことが説かれているが、今一つぴんと来ない。この本では嫌な人を例にとって、「空」を説明されていて、なるほどと思った。つまり、相手の人の確固たる実体をとらえることは不可能であり、自分の部分的な印象や思い込みによって好き嫌いを判断しているということで、コミュニケーションをよくする上で重要なことを教えている。

さて、先日、津島さんが示された図であるが、横軸は省資源・低環境負荷の技術開発により、すくない資源消費や環境負荷で効率よく、満足度を上げることができるような人材を育成する。それが企業も求める人材であり、ESDであるということであった。

しかし、縦軸の満足度あるいは幸福度は、何をもって評価すべきなのか、人びとの幸せについての価値観自体を、見直さなければならない時代なのではないかというのが自分の感じた疑問であった。この部分については、ESDに関連してもっと活発な議論が必要な所である。

また、持続可能社会の実現がいかに困難な課題であるかという認識についても、自分はかなり厳しい状況にあると思っているが、疲れた年寄りの悲観的な見方ではなく、冷静公正な分析が必要であり、この部分についても、もっと真剣な議論が必要だろう。

要は、持続可能な社会づくりにおいても、知性の力で、現状の分析をしっかりやって、悲観的過ぎず、楽観的過ぎず、現実的な目標を掲げることが重要であるということか。

先に述べたとおり、価値観を変えなければならないという点については、ダライラマ、先の本でも、また別の動画においても、21世紀を迎えて、「今の世界は精神革命を必要としている」 との認識を示されていて、「心の平和」 が幸せの最大の要素であることを説いておられる。

ついでにいくつかダライラマ14世の動画を見てみた。

一つ目は、2000年の収録で、NHK教育テレビのインタビューとして報道されたもののようで、当時、オーム真理教の事件から5年で記憶もまだ新しい時期であり、「なぜ人を殺してはいけないか」というテーマになっている。

昨日の投書欄にも関連するが、動物は殺して食べるのに、なぜ人を殺すことはいけないのかというのは、確かに難しい問題であり、他の生き物の命を尊重することは、自分の命を尊重することにつながり、人を傷つけることは、結局自分を傷つけることになると説かれていた。

この時の来日目的であった京都精華大学での講演では、若い人たちの質問に答えられ、とくにコミュニケーションが苦手で引きこもりがちだった女性へ、「つらい状況だけを考えず、広い視野で、状況を分析して、人のためになることをやるようにしていけば、すこしずつ肯定的に生きられるようになり、21世紀のよりよい人類社会を作る一員に必ずなれる」 と勇気づけられた.。その後、壇上に呼んで抱擁されたのは印象的だった。

2013年京都精華大学が45周年記念事業にダライラマの講演会を開催された時も、やはり講演後、会場から若い方々の質問に答えられ、同様な感動的なシーンがあった。やはり言葉や論理だけよりも、愛情や気持ちがよく伝わるということである。

ダライラマは1935年生まれの80を超えた高齢でありながら、人間の特性である知性で、現実をしっかり分析し、現実的、楽観的によりよい社会づくりの啓発に邁進されている。

人生に行き詰まるとどうしても、そのつらい状況だけに意識を集中し、どんどん自分を追い込んで行きがちですが、人間の可能性を信じて、広く世界を見ていけば、希望があり、前に進んでいくことができるというのが一貫した態度であり、見習わなければならないと思います。

将来に不安を持つ若者が多い中、全国で33万人以上いるというお坊さんが、少しずつでもこのような大乗仏教本来の意識をもってもらえば、ずいぶん大きな力になり、持続可能な世界づくりに、日本が大きな力を発揮できるはずではないかと思いますが、どうなんでしょうか。
                                      (文責:浮田)

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