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先々月の「低炭素のまちづくり」第1回 「低炭素まちづくり計画について」鵤 心治 先生(山口大学)の概要です。

2014年08月01日

 6月18日、第3分科会シリーズの1回目として、昨年12月に発足した「宇部市低炭素まちづくり協議会」の会長を務めておられる山口大学の鵤先生のお話を伺いました。
 鵤先生は、山口県都市計画審議会の会長でもあり、都市計画の第一人者です。「人口減少下の地方都市におけるまちづくり手法に関する一連の研究」で2013年日本建築学会賞(論文)を受賞されています。

まず、我が国の社会状況の背景として、人口減少、高齢化に伴う問題点、人口低密度の地方都市では、1人あたりの行政コストが高くつく傾向があることを述べられ、CO2排出に関しても市街化区域の人口密度が小さいほど、1人あたりの自動車によるCO2排出量が大きい傾向があることが紹介された。
 宇部市、山口市は昭和43年に法律で奨励された市街化区域と市街化調整区域の線引きをしていないので、スプロール化を抑制できず、コンパクト化には不利な状況があったといえる。

 今後のまちづくりの方向性として、国交省は3つの柱を掲げている。1)財政支出の効率化、2)低炭素、3)高齢化・子育てへの配慮。
 宇部市においても、よりコンパックトなまちづくり、シェイプアップを目指してい行かなくてはならないとされた。

宇部市低炭素まちづくり協議会は、平成24年12月に施行された「都市の低炭素化の促進に関する法律」に基づいて、低炭素のまちづくり計画を策定するために設けられている。
 国の計画では、都市機能の集約化と公共交通機関の利用促進、建築物の省エネ化やエネルギーの効率的利用、緑の保全・創出の3つが重点目標とされている。

 山口県は分散型の県域構造を持っており、求心性のある中心都市がないので、都市間をつなぐ道路網が整備され、これがモータリゼーションの進展を促進した。山口市の一人あたりガソリン消費量は386㍑/年で日本一であるといわれる(最低は大阪市の73㍑)。
平成の大合併で行政区域の広域化が進められ、コンパクトなまちづくりとはある意味矛盾する、今後のむずかしいテーマである。
先に述べた区域区分制度(線引き)がもう一度見直しされるべきであろうとされた。

 山口市や宇部市では昭和50年代から、市街部ではまとまった土地を確保することがむずかしかったこともあるが、1000m2以上の開発が、郊外を中心に進んだ。
 宇部の中心市街地140haのうち、120haの全宅地の22%が、主に小規模な駐車場になっている。山口市や防府市も同様な傾向はあるものの、1980年から2005年までの間に、駐車場のままに推移しているのは、山口市は26.6%に対して、宇部で48.5%と高く、駐車場から住宅・商業用途に変化した割合は山口市16.2%に対して、宇部で1.3%と極端に低く、困難な状況がうかがえる。

 そもそもなぜ中心市街地なのかということだが、「歩く」、「楽しむ」空間として、生活感あふれる界隈性、回遊性、滞留性のある、空間をデザインしていくことが重要である。
 都市再生特別措置法の改正案が平成26年5月に制定されたが、市街地の中に、居住誘導区域、またその中に都市機能誘導区域をつくってはどうかという、提案がなされている。合意形成は簡単ではないが、もしそうすれば100%補助も考えられているという。
人口密度を高めて、自動車交通を減らし、公共交通や歩行を増やすことが大事である。1kmくらいは歩くことができ、日常の買い物ができれば中心部の再生が可能になる。「歩いて暮らせるまち」がキーワードになる。

 例として富山市の例が紹介された。市街地への居住の奨励・事務所の立地、公共交通LRTの整備など、国がモデルづくりとして力を入れてきた。

 実際に宇部のまちづくりを考えると、たいへんむずかしい状況がある。低炭素まちづくりの重要な施策として、1)都市機能の集約化、2)公共交通の利用促進、3)建築物の省エネ化・エネルギーの効率的利用、4)みどりの保全創出 が考えられ、将来像として、①多様な機能が集まった、歩いて暮らせるまち、②公共交通など、便利でエコな移動ができるまち、③地球にやさしい賢いエネルギーが利用できるまち、④緑・花・彫刻など、うるおいが感じられるまち、⑤市民や事業者と一緒に取り組むまちなどが検討中であり、今後具体的な対策を考えていく予定になっている。

議論及びWS
○いまは通信販売などあり、若い人には中心市街地の焦点には足を運ばないのではないか。コンビニも若者対象から、年寄りもターゲットにするようになっている。低炭素に向けて行政がやること、市民がやることの仕分けも重要だと思う。
→これからの中心市街地のまちづくりは商業中心に考える時代ではない。住みやすいということをまず考える、結果商業がついてくるのではないか。
 ハードとソフトの連動がやはり重要である。ハードに力を入れて行かなくてはならないと思う。
○宇部の、駐車場の転換率が低いが、高齢者は市街地のマンションに住もうという人は増えていくのではないか。
→最近はマンションが増えてきているが、そのマンションの位置の調整・誘導も必要と思う。高層、低層のエリアなど。誘導していく土地は300m2以下の駐車場が多いので、まとめていくことが必要だが、地権者の合意がむずかしい。街区単位で決める地区計画には地権者の100%合意が必要。これをやらないと変わっていかないというむずかしさがある。
○計画のタイムスパンはどうなのか。
→都市計画は20年が目安だが、行政のスタンスによる。20年の中で5年ごとの行動計画を造ることが望ましい。少なくとも10年ごとの目標を書いた方がいい。
○にぎわいのイメージは?高齢者を市街地に集めるのは、にぎわいのイメージと少し違うのではないか。
→イメージは、むしろ市民のみなさまが考えるものではないか。自分としては、行き違う人とコミュニケーションをとれること、にぎわいはあったほうがいい。
 あまり極端には考えないほうがいい。一気に郊外部を切り捨てることもできない。子育て世代は郊外で、子どもが離れたら中心部に住むとか、うまく住み替えの流動性を持たせればいいのではないかと思う。
○賃貸住宅の場合、リフォームを認める契約に移行していく動きもある。

○自転車利用の視点をもっと入れて欲しい。道路空間の配分なども考えて欲しい。
自転車が走りやすいまちづくりも考えて欲しい。ドイツでも自転車が移動手段となっているので速く走れるということが大事になっている。
→具体的な政策はこれからの議論になると思う。アムステルダムなど、自転車の利用が根付いている。日本はこれから。マイノリティではなく、自転車利用が文化にならないといけないと思う。
○宇部市では生活保護を受ける人が多いが、人口密度が高い方が、生活保護を受ける人が多い傾向がある。人口密度と行政コストの関係は逆比例の関係にあると考えるのは一面的ではないか。
→社会科学の範疇だが、そういう見方もできるかもしれない。
○目標がないと、考えにくい。
→中心市街地活性化計画をつくれば、国から補助がもらえるが、目標の達成状況をチェックされる。
 低炭素のまちづくりも、目標値の設定については、今後の議論になる。富山の方法論を参考にするだけではなく、宇部市独自のやり方を考えるべきと思う。
○低炭素については、やはり交通関係が大きい。公共交通などをてこ入れしなくてはならないが、コンパクトなまちづくりにどういう指標を対応させることになるのだろうか。
→交通の専門家としては、榊原先生も委員であるので、そちらに頼る面もある。
 富山のLRTにしても、ある程度人をひきつける派手さも必要。
 まちづくりに関して、問題点を洗い出し、結果として低炭素に結びつけるという視点をもつべきと思う。
○たしかにそういう派手さのような要素も大事。JR四国のポケモンなど。
○工学部通りはとくに自転車が走りにくい。
→都市計画道路の完成系として位置づけられているようだ。
○絵に描いた餅でもいい、その中からいくつかでも実現できていければいい。たとえば、まちなかにも井戸を掘るとか、そんなこともあっていいのではないかと思う。あるいは、ビル風を利用した風車なども考えても良いのでは。
→ライフスタイルが昔に戻るということはもう考えられない。工学の側から見ると、環境を考えるあまり、利便性を犠牲にすることもできない。按配をうまく考えて行かなくてはならない。

その他意見
・自転車はエコのシンボル ・自転車利用を重点プロジェクトに設定すべき
。自動車が優遇されすぎている ・低炭素まちづくりでは、低炭素かまちづくりに重点が置かれるかによってアウトプットが異なる。 ・宇部らしさを出して欲しい ・コンパクトシティはいいが、就労機会を増やすことも大事 ・数値目標標を設定すべき ・今日の話は非常によかった ・利便性の追求をしてきたこと、生き物の姿が貧弱になり、人工的な環境では、こども達の感性にも影響がある。などなど活発な意見が交わされました。

 たいへん体系だった講演でしたので、ご興味のある方は、直接Ustream録画を視聴してください。http://www.ustream.tv/recorded/48902780

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